
(2008年9月)
テレビに映った自分の姿。あれっ!? いつの間にか戦国武将のような「かぶと」をかぶっているではないですか。しかも、ひげまで生えている…。このような疑似体験を可能にするインタラクティブ(双方向)システムを福岡市の「しくみデザイン」という会社が開発。福岡市博物館(同市早良区)で開催中の企画展「黒田長政と二十四騎 黒田武士の世界」に「お変わり兜(かぶと)」というアトラクションを出展しているのです。
このシステムがすごいのは、カメラの前でどんなに動いてもテレビ画面の中のかぶとやひげが顔から外れないということ。「人の顔を検出する画像処理技術を用いています」と同社の中村誠さんが種明かしします。顔認証技術を使った商品としては、人間の顔を自動的に識別し焦点を合わせるデジタルカメラなどが既に商品化されていますが、中村さんらは「この技術を使い、ユニークで楽しく遊べる参加型コンテンツを作ろうと考えた」というのです。
同展来場者は展示室入口に設置された不思議なテレビに興味津々。かぶとの飾りは福岡藩主・黒田家由来のものから現代風のものまで、タッチパネルの操作で自由に選ぶことができます。バーチャルの世界で自分がデザインしたかぶとをかぶってから、展示されている実物のかぶとを目にすると感動と驚きも倍増。黒田武士たちの個性あふれる一品に思わず見とれてしまいます。「楽しみながら展示品への理解を深めてもらえますね」と博物館側の評判も上々です。
このインタラクティブシステムを活用すれば、画面上でバーチャルな洋服を着こなしたり眼鏡をかけたりすることもできるため、アパレル店などで在庫のない商品をお客さんに“試着”してもらうサービスが生まれるかもしれません。「バーチャル画像を使って、世界に一つしかない広告を作るのもおもしろいですね」と語る中村さんたちは、このシステムを利用した新たな「しくみ」作りに余念がありません。新技術を開発するのも難しいことですが、技術の新しい使い方を考えて製品化することも同じくらい難しいのです。
(総合メディア本部・郷六振一郎)
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